厠草子

これで尻でも拭いてください

リモートワークと孤独とInstagram

このたび、わたしの勤める会社もついにリモートワークを開始した。
部署が営業部なので、基本的にはパソコンを持ち帰って、顧客からのメール対応や現場に指示をするくらいである。ぶっちゃけひまだ。まだ1日しか経っていないけれども感想をメモしておこう。

 

・人恋しい
 とにかく人が恋しい。というか、他人の視界に入らないと、存在の不安に耐えられなくなる。わたしひとりがわたしという人間に向き合っているという状況がとにかくもう不愉快である。わたしは他人に承認され、肯定され、あわよくば称賛されることでどうにか人の形を保っているのだから、固形化に必要な材料が得られない状態、それすなわちゲル状である。こうして一人で机に向かっていると、今まで会社にいる時間、どれだけの人に気をそらさせてもらっていたかを思い知る。
 例えば人が同じ空間で動いているだけでも「何をしているんだろうな」という意識が働く。おじさんが「そのマスクいいじゃん」とかうざがらみしてくるのだっていい気のまぎらわしだった。上司から小言を頂戴する時間だってまあ...一人に比べたらましだったのかもしれない。そういう、ほどよい雑音が消えてしまうと、世界は静かで孤独で耐えがたい...。
 とにかくインターネットでもいいから誰かの視界に入りたいと思って、Instagramにリモートワーク中の服装を記録するアカウントを作ってみたりしている。釣果は1回の投稿で2~3人というところだ。毎日、違う人が鏡の前のわたしを覗きに来てくれるようで嬉しい。


・服選びが難しい
 これは予想外の気付きだった。 
 最初は、室内でもいいから毎日好きな服を着て、自分のためにおしゃれをするつもりだった。しかしいざリモートワークを始めてみたところ、なんというか...おしゃれ、要らないのである、意外と。Instagramまで作っておいて気づくのが遅すぎなのだが、人の視界で固形化するタイプのわたしが、人にみられない環境で着飾ることにあまり意味はなかった。
 当たり前のことだが、おしゃれな服ってのは往々にして動きづらかったり汚れやすかったりする。白いシャツワンピはかわいいけど安心してミートソーススパゲティが食べられない。ヒラヒラしたスカートも、狭い自室のデスクに着くときには邪魔である。特にわたしは作業に熱中してくると椅子の上であぐらをかくタイプ(もちろん会社ではやってない)なので、フレアスカートとか邪魔でしかない。椅子の背と擦れて毛玉ができても嫌だし、洗濯回数多くなっちゃうのも劣化に繋がりそうだしな...なんていってたらあっという間にパジャマ生活になってしまう。
 しかしやはり、わたしは人に認知されたいのだ。視界に入らないと自家中毒でどうにもならなくなってしまうのだ。パジャマ姿では、外の世界の人には会いに行けない。そういうわけでInstagramを始めたのである。一軍でもない、けどパジャマでもない服を投稿することで、結果的に人間らしい服で仕事ができる気がする。

 

 結果的にInstagram礼賛記事になってしまった。これではステマではないか。
 まあこんな誰が読んでるのかもわからない、更新もほぼない零細ブログでステマしたところでしょうがないのだけれども。
 さんざん書いたInstagramのアカウントは下に載せておこうと思う。誰も見んじゃろ、という謎の自信と、それでも、ここでわたしを視界にいれてくれた誰かが、引き続きわたしを視界にいれてくれたらなと願う気持ちを込めて。

 

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